meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

DBVS2000

DBVS2000って、そもそも、なーにって、poteth0210さんに怒られたので、多少、紹介をします。

端的に言って、
https://meineko.com/etc/windbvs2.jpg
の様なのを表示するソフトと、その他、stdファイル形式のデータを扱いツール集です。


stdファイル形式の開発の歴史は、1980年台、パソコンが使えるようになったのに端を発します。
ちょうど、変光星観測データの集大成(ミラプロジェクト)の話もあって、それにも利用可能なことから、一気に利用が普及しました。
#変光星観測データの集大成は、その後の、VSOLJ databaseに受け継がれています。

std形式というのはご存知のように

ANDR 192012142212 94 Yam

こういうのです。
詳しい説明は、観測報告フォーマット(日本変光星研究会)を見てください。


これ自体は、テキストファイルですので、扱いが容易で、最近なら、Rやpythonあたりが使えるひとなら、ちょいちょいと自分の望む形に加工できるでしょう?
DBVS2000では、これを、dbfというデータベースファイルにまとめて管理しています。
windbvs2というソフトを使えば、上の光度曲線みたいなのが表示できます。
データベースにデータを足すには、vmrgというツールを使います。


windbvs2だけはGUI操作のできるソフトなのですが、vmrg等の他のツールは、コマンドプロンプトから使うCUIのツールになっています。
大方のツールは、ファイル等を加工して別の形にする、フィルターとか呼ばれるものが大半です。
こういう比較的単機能のツールを組み合わせていろいろやるのは、unix系のOSから譲りのやり方で、MS-DOS時代からの伝統です。
Windowsから、コマンドプロンプトを立ち上げて、操作します。
#最近は、コマンドプロンプト(俗にDOS窓と呼ばれているあれです)より、powershellかも??


例えば、

pack < foo.std | tojd | unpack > bar.jd

は、packというツールで、foo.stdの先頭の星名をいったん除いた後、tojdというツールでJSTからユリウス日(JD)に変換した後、unpackで、再び先頭に星名を戻して、bar.jdという名前のファイルに書き込んでいます。<や>の記号はリダイレクト、|はパイプといいます。これと、標準入出力というのを覚えれば鬼に金棒です。
詳しくは、googleって下さい


そういう経緯で作られたツール群なので、当時の環境(16ビット環境)で作られていました。
Windowsの時代になっても、そのまま使えていたのですが、最近、Windowsは、32ビット環境より64ビット環境が主流になってきました。
この64ビット版のWindowsでは、16ビット環境で作られたソフトは動かなくなってしまいました。
#OSでのサポートが無くなりました。


で、「困った困った」いっていたら、Katさんが、64ビット環境で再コンパイルいて公開されたので、64ビット環境のWindowsでも使えるようになりました。それが、ここ数日の動きになっています。
たくさんあるDBVS2000のツール類のマニュアルとししては、DBVSマニュアルを参考にして下さい。
#色々書いてあって読みにくいマニュアルですが、読み飛ばせば問題無いですw


もともと、DBVSが作られた後に、2000年問題があって、DBVS2000が作られました。
今回、DBVS2000 x64版とでも言うべきものが提供されるようになり、まだ、しばらく、DBVS2000の出番が続きそうです。


なお、DBVS2000については、こちらの動画も参考にして下さい?
VSOLJ databaseの使い方

DBVS2000のファイルは、そのうち、開発が一段落したら、うちのwebからも落とせるようにします。
#開発者のKatさんから、そうしてはどうかと提案をいただきました。