meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

Stromgren y

連星・変光星WSでの蜂巣先生のお話。

新星が減光するにつれて、光球が収縮して温度が高くなって、放射は可視から紫外、さらに軟X線に移っていく。
これに伴い、可視では次第に収縮に取り残された希薄なガスからの輝線が目立ってくる。
そのため、V等級での光度曲線をあらわすモデル計算は、減光初期と後期で2面性を示す。
ところで、光球が収縮する速度は、新星爆発した連星系の主星の白色矮星の質量によって決まり、白色矮星の質量が大きいほど減光速度が速い。
減光速度を決めるのにあたって、輝線からの寄与は邪魔なので、輝線の影響が大きい広帯域のVフィルターより、中間帯域のyフィルターでの測光のほうがよいのではないか

(意要約、清田。正確なことは、近いうちに出る収録で確認してください。)


以前から、減光が進むと、眼視観測とV等級での機器観測で値が合わなくなっていることが知られていましたが、これも、輝線の影響と考えられていました。


と言う訳で、V1494 AqlのスペクトルとBessellのVフィルター、Stromgrenのyフィルターの透過曲線を1つの図にしてみました。

わたしの撮ったスペクトルの線幅が広すぎるのは差っぴいて考えていただくとして、確かに、Vよりは、yのほうが、Hβの輝線の影響がすくなさそうです。
#Vフィルターの短波長側の立ち上がりの波長が丁度Hβ輝線の中心波長あたりです。
ただし、yフィルターの帯域にも、なにやら輝線がありそうです。
でも、Vよりは影響がすくなさそう?
ただし、yフィルターは、いかにも狭いので測光でえられるカウントの面では不利で、暗くなると小口径では苦しそうですね。


と言う訳で、やってみないことにはということで、yフィルターの入手方法を模索中です。

(追記)スペクトルの波長同定間違えていました。修正版は、11/8の日記を見てください。