meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

Astrometry.net

Fits画像書き込む座標データは、WCSという仕組みで定義されています。
Astrometry.netは、場所やサイズを特に指定しなくても、星表と比べて、画像の中心座標やスケールを決定して、WCSを計算してくれるツールです。
同様なコンセプトのソフトには、吉田さんのPIXY system2とかがありますが、オンラインでのツールを提供しているからか、Astrometry.net の方が世界的には普及しています。
Astrometry.net は、search sky onlineという名前で、MaxImDL v.6内から利用出来ます。MaxImDLには、PinpointLEも実装されていて、そちらなら、ローカルのPC内で利用出来るのですが、そちらは、大まかな中心座標とスケールを始めに指定しないといけないです。それに対して、Astrometry.net は、パラメータ無しで、座標を決定してくれます。
アルゴルを撮っているカメラで、初期の姿勢がずれていたので、カペラの方へ向いてしまったような時にも、きっちり、方向を解析してくれて助かりました。
#おかげで、ファインダーが要りません。
据え付け望遠鏡でも、アマチュアの場合、自動導入操作の前に、最初に、適当な星を使って、アライメントをしてから導入の操作に移れるというのが一般的ですが、これがあれば、観測開始に1枚画像を撮れば、望遠鏡の向いている向きがわかって、その解を使ってアライメント出来ます。
望遠鏡の架台にホームポジション検出機能とGPSが付いていれば、アライメント操作は要らないのですが、望遠鏡の姿勢による導入誤差を解析する場合にもAstrometry.net のようなソフトは便利です。


さて、Astrometry.net のオンラインサービスはありがたいのですが、多量の画像をバッチで処理した時とか、やはり、ローカル環境でもAstrometry.net が使えたら便利と思うことがあります。
昨日、Ngaさんが、UbuntuにAstrometry.net が用意されているのに気づかれてtweetされていました。ソフトウエアセンターで、検索すると出てきます。
よし、わたしも早速入れようと思ったら既に入ってましたw
そういえばしばらく前に、debファイルがあると気づいていれてました。
で、比較に使う星表データから、Astrometry.net で使えるインデックスファイルを作成する作業が必要なのですが、それは、Astrometry.net のサイトに予め置いてあります。少し、手間がかかるくらいで、落とすのは出来そうですが、問題は、それをどこに置けば、Astrometry.net から使えるのかとか、もう少し、解説ドキュメントと格闘する必要があります。


なお、WCSを解くのは、コマンドラインから、

solve-field foo.fit

でいいみたいです。コマンドラインオプションは、solve-field -hで確認できます。
結果は、複数のファイルに分かれて出力されます。そこから、自分に必要な情報を抜き出すのにもう一手間要ります。


Astrometry.netのwebページ
Astrometry.netのオンラインサイト 画像をuploadすれば、WCSを書き込んでくれます。APIも公開されているので、自分のツールから呼んだりできます。
Google Pittsburghで、作者のRoweisさんが講演した時の資料
New algorithms for automated astrometry(Harveyさんの修論)
Astrometry.net: Blind astrometric calibration of arbitrary astronomical images


ということで、本日は、ここまで。動いたら、報告します。
TAO Surveyで、WCSの書き込みには、PinpointLEを使っていますが、GUIでの作業が必要で、コマンドラインから自動化したいのでした。