meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

V339 DelのCCD測光

AAVSOの掲示板で、報告されているいるか座新星のCCD測光の測定値にばらつきが大きいことが、しばらく前から、話題になっています。
「眼視観測は立派だ、ばらつきもあるものの0.5等とか狭い範囲に収まってる。だが、しかし、CCD測光、おまえはダメだ。0.5等以上ばらついてるってどういうこと、0.05等くらいには収めようよ(意訳)」


で、みんなで、画像を持ち寄って検討しています。
最初に、問題とされたのは、幾人かの方の観測は、飽和してして、そのせいで暗い値が出ていました。
何人かの方は、露出が短くなることで、シンチレーションの問題を指摘していました。
しかし、わたしの意見では、シンチレーションの影響で考えられるより、ばらつきが大きいです。


暗い比較星しか無いことも原因では無いかという意見も出ましたが、どうにか複数の比較星も使えるので、それほど影響はないのでは無いかということになりました。


で、Baader planetarium製のフィルターの透過波長特性が、AstroDon等のフィルターに比べて、長波長側に伸びているのが指摘されました。
確かに、これは、影響が出そうです。
輝線天体の標準システムへの変換は、原理的には難しいのですが、やってみて、どうなるか(ばらつきが減るか、減らないか)、試してみようかという話になったようです。
最終的な波長特性は、フィルターの透過特性の他に、CCDの波長感度特性、光学系の特性の合わさったものです。
このうち、光学系は、Vバンドとかでは、問題になることは少ないと思います。
CCDも、Vバンド付近では、問題になるほどの差はで無いかなというのが、iTelescopeで、幾つもの望遠鏡をハシゴして撮影しての感触です。


で、ばらつきが大きいと、短時間変動があるのかどうか、わかりづらくなるのですが、それについては、同じ機材で連続測光をして確かめてみようという話も出ています。


今回の新星、明るすぎて、いつもといろいろ勝手が違って苦労されている方も多いようです。
自分の経験からしても、ミラとか、χ Cygとか、明るい星のCCD測光では、結構苦労しています。
この辺りの、ノウハウも共有されていくと良いですね。


この他、「一眼デジカメの場合は、どうだろうか」という意見も出て、「Hα付近の透過率が、機種によってマチマチなので、どうだろう、やはり、変換は難しいだろうか」という意見が出ていました。


あと、「みんな、ちゃんと撮った画像を見てる?VPHOTに送るだけで、見てないんじゃないの」って指摘に、「いや、わたしは見てる」って答えていました。
これ大事ですよね。
あと、測って出てきた値を吟味するのも大切です。