meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

transformation

最近、AAVSOでは、transformationが流行りです。
先ほど、ノーフィルターをdisったばかりですから、transformationについても触れないと。


CCDの分光感度は、チップごとにかなり違うという話はすでにしました
#それぞれ、使用目的に合致した特性に近づけて設計されています。測光目的で考えると、厄介です。
それに、測光用フィルターを組み合わせて撮るわけです。
ところが、市販の測光用フィルターを買って付ける場合は、自分の使用しているCCDに合わせて、特性を調整するとか、普通は出来ません。
加えて、フィルターの製作段階でのバラ付きもあります。
#高い奴は、実測データがついてきますね。
加えて、光学系(ミラー・レンズのコーティング、CCDのガラス窓の特性)の波長特性も絡んできて、フィルターをつけたらそれで、即、測光システムと波長特性がジャストフィットというわけには行きません。
それぞれに、経年変化の可能性もあります。


で、どうするかというと、各機材での測定値(Instrumental magnitudeとかInstrumental systemといいます)と、標準システムのズレの癖を測定しておいて、それを元に補正をします。
高校の頃、部活動で、高校の周りの住宅地の気温の分布を測ったことがあります。
正確な温度計は、とても高いので、予め校正用の値段高い温度計と、使用する普通の温度計の値を比較しておいて、各温度計ごとに、読み取り値を後で補正しました。
#まぁ、最近は、デジタル温度計もあるので、校正データを、温度計ごとに持たせればいい気もします。
で、測光の場合も、標準星を撮って、測定値とカタログ値を比較して、補正のための係数を決めておいて、補正をすることになります。


大抵の場合、星の色指数と補正値の間の直線的な関係(一次式)で、補正できることが、経験的にわかっています。
#理論の裏付けも無いわけでは無いのですが、厳密に議論すると難しいです。
#あと、Uバンドでは、早期の星の場合は、直線的な関係になりません。詳しくは、バルマージャンプで、googleって見て下さい
色を決める必要があるので、最低、2色で撮る必要があります。
#え、三原色では無いのかと思った方は、googleか、大沢清輝さんの「星の色」を読むと吉かも?


で、実際の手順とかも、長くなるので、googleっていただければ。
CCD Photometry Guideの6章もわかりやすいです
CCDの場合、復数の標準星を同時に撮れるので、結構、楽です。
AAVSOでは、transformation用の係数を計算するのを手助けするソフトも公開しています