meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

周期解析

測光観測の解析で、よく行われるのは、周期解析です。
正確な周期で現象が繰り返されていれば、連星系の公転周期の関連した現象であると推測できますし、変光周期の変化は、恒星の進化を反映している場合も多いです。


わたしも、以前は、自分のわい新星の観測データを自前で解析することも多かったのですが、最近は、観測をVSOLJ-MLへ投げて終わりということが増えてしまいました。反省。
しかし、一度、自分でも解析してみるというのは、なかなか、勉強になるのでおすすめです。
#わたしも、短周期変光星とかの周期解析なら、まだ、時々やります。


で、ツールなのですが、以前は、KunjyayaさんがCで書かれたプログラム(PDMWIN)や、KatさんがJavaでかかれツール(Pmdet)とかを使っていたのですが、PCのOSの変化に伴って、動かないものが多いです。
しばらく前、Katさんが、Rでの解析例をVSOLJ-MLにpostされていましたが、速度を稼ぐため、一部、Cで書いてコンパイルしたプログラムを呼んで使っていたので、その部分で、つまずいて、うちでは稼働していません。


で、もっぱら使ってるのは、AVEです。
これのAnalysisに、period serachingというのがあって、PDM法の他に、いくつかの方法が選べます。


あと、Sharewareですが、PERANSOというソフトもあります。
作者が、もともと、CBAのメンバーの熱心なわい新星の観測者なので、その方面での使い勝手は良さそうです。
解析方法として、以下が、使えるようです。

Lomb-Scargle, Bloomfield, Discrete Fourier Transform DFT (Deeming), Date Compensated Discrete Fourier Transform DCDFT (Ferraz-Mello), CLEANest (Foster), Jurkewich, PDM (Phase Dispersion Minimization), Dworetsky, Renson, Analysis of Variance ANOVA (Schwarzenberg-Czerny), Phase-binned AoV (Schwarzenberg-Czerny), Lafler-Kinman, EEBLS (Kovacs) for exoplanet transits, FALC.


以前紹介した様に、AAVSOのGrant Fosterさんが、周期解析の方法の本を自費出版されています。
Analyzing Light Curves: A Practical Guide
wavelet解析とか、CLEANを使っての2重周期解析とかが解説されています。
#わたしも、まだ、読み切れてないので、だれか、紹介されているツールを試してみてください。