meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

ガリレオの海王星の観測

最近、巡回先で話題となっていますが、元ネタはこれですね。
(注)星が好きな人のための新着情報から来た方へ、1980年の記事です。


Galileo's observations of Neptune
Charles T. Kowal & Stillman Drake
Nature 287, 311 - 313 (25 September 1980)


海王星発見以前の観測があれば、軌道改良に役立つかもという話。
1612年12月28日と1613年1月28日のガリレオ木星の観測に海王星と思われる星の記録があって、特に後者は、位置観測があるんだけれど、計算とは1'ずれているとのこと、はたして、リアルかどうかという話のようです。


(追記)
ADSを調べたら、
Galileo's observation of Neptune
DENNIS RAWLINS
Nature 290, 164 (12 March 1981)
というのと、


Galileo's observation of Neptune (reply)
CHARLES T. KOWAL
Nature 290, 165 (1981)
というのが、ありました。明日読みます。


(追記2)
Galileoの他に、海王星を記録していた人は多いようです。SPACE.comによれば

skilled French astronomer, Lalande (1795); the English astronomer, John Herschel (1830); and the Scottish astronomer, Von Lamont, just days before Neptune was actually discovered in 1846. All thought it was nothing more than an ordinary star.


(追記3)
Galileo Neputuneでgoogoleと山ほどでてきます。
特に、Kowal自身のGalileo’s Observations of Neptune(PDF)は、フリーで読めるし、ユーモアもあって楽しい文章です。
これによると1613年1月28日のスケッチにはSAO 119234と海王星が並んで書かれているそうで、スケールが他のスケッチと同じであるという過程は必要であるものの、精度よく海王星の位置を推定できる様です。しかも、次の日には、前日とは、2星の間隔が開いたように思うというメモまであるとか。そこまで判っていて、惑星であると気づかないとは、ガリレオもうっかりさん?
まぁ、うすうす気づいていても確証がなくて、そのままにしたのかもしれません。なにせ、初めての望遠鏡での天体観測ですし。


しかし、1974年に木星の衛星のLedaを見つけたし、1977年には(2060)Chironもみつけたという自己紹介の書き出しではじめるKowalさんも、結構お茶目です。


(追記4)
goggoleの検索結果を上から順番に読んでは、追記をしています(w
Galileo's observations of Neptune
Standish, E. M. & Nobili, A. M.
Baltic Astronomy, vol. 6,, p. 97(1997)
でやっと、ガリレオのスケッチを見れました。木星ー星A−星B(海王星)が一直線に並んでいたそうです。


おぉ、ugemさんのシミュレーション結果と同じだ。


わたしも、ステラナビゲーターで図を書いてみました
ガリレオのスケッチは、上の論文から。