PDFファイルを整理していて思い出しました。
2001年のWhitelockさんとMarangさんの論文で、この星が非常にゆっくりした新星でないかと提案されています。
この星は、F型超巨星とミラ型変光星の連星なのですが、主星のF型超巨星にしては、Liが多いこと、連星系の周りに赤外線で観測されているダストの量から質量放出率が通常より大きいと考えられていることなど、不思議な点がある星です。
新星は爆発後、極大の頃まで、(恒星風が吹くまで)一時期、スペクトルがF型の膨らんだ星として見える時期があります。非常に増光減光がゆっくりな新星は、この時期が長く続くので、一見、F型超巨星と見分けがつかなくなる可能性があります。
この星が、それでは無いかということです。
TAO Surveyでは、伴星のミラ型星の変光と思われる変光がよく見えています。
KWSでVの変光をみると、主星のF型星が明るすぎて、変光幅が小さくなって目立たないです。
そのためか、GCVSでは、SRD型となっています。
さて、真偽の程はわかりませんが、観測レパートリーに加えたいと思います。
もちろん、主星のF型星に関して、post-AGB星として説明しようという考えもあります。