RU Virは、2重周期が顕著なミラ型星です。
Wnmさんが、日本変光星研究会の会誌「変光星 No.262」に紹介記事を書くのに合わせてAAVSOのVSPで描かせた星図と、従来の星図で比較星光度が結構違っていると指摘されていました。
で、調べてみました。
AAVSOの旧星図が手元にない(厳密には持ってるけれど、すごく古いのしか無い)ので、日本変光星研究会のwebに置いてある平澤康夫さんの作られた星図と比較してみました。
平澤星図、等級の出典は書かれていないのですが、比較星のチョイスがAAVSOとそっくりなので、きっと、AAVSOだと類推しました。
結果です。
AAVSOのVSPは、WOULD YOU LIKE JUST THE FIELD PHOTOMETRY?の所にyesのcheckを入れると、元になった等級と出典も表示されます。
そこから、元になったV等級での測定値と、BーVも表にしてあります。
#BとVで、出典が違ってる星が殆どで、厳密では無いのですが。
AAVSO | AAVSO V | 出典 | B-V | 平澤 |
---|---|---|---|---|
94 | 9.353 | TASS | 0.922 | 92 |
97 | 9.722 | ASAS-3 | 0.609 | 96 |
103 | 10.316 | SRO | 0.775 | 103 |
105 | 10.509 | SRO | 1.181 | 106 |
115 | 11.475 | SRO | 0.822 | 116 |
117 | 11.666 | ASAS-3 | 0.574 | 119 |
123 | 12.344 | ASAS-3 | 0.396 | 123 |
125 | 12.534 | SRO | 1.006 | 127 |
132 | 13.190 | SRO | 0.828 | 132 |
138 | 13.809 | SRO | 0.719 | 136 |
141 | 14.077 | SRO | 0.965 | 140 |
154 | 15.362 | SRO | 0.714 | 146 |
146が、VSPでは、154と大きく違っていることは、Wnmさんがすでに指摘されていました。
極小付近の観測が、この比較星のせいで、ズレているのではないかと、Wnmさんは心配されていましたが、AAVSOの観測で、眼視観測とCCDでの観測を比べてみて、さほどおかしなところがないので問題なさそうです。
#まぁ、眼視観測をしているときにこれだけ違っていれば、気づいて、比較星には使わないか、自分で改定して使うでしょう、きっと。
出典のSROってのは、Sonoita Research Obs.で、比較星等級の改訂のための観測をしている望遠鏡ですね。
しかし、結構、赤い星も比較星に含まれていますね。RU Virがもともと赤いし、かえって好都合ですか?