meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

O-C2

O-Cは、観測時刻Oと計算で求めた時刻Cの差です。

Cの方の時刻は、一定の速度で時を刻みます。
ていうか、なにも、補正項を含まずに計算しているので、一定です。


では、Oの方はどうか?
普段生活に使っているのは、電波時計で時刻を合わせるとすると、地球の運動の不定性を加味してたUTCです。
厳密には、1秒の長さの定義を原子時計にあわせてあるので、生じてしまうズレがあるけれど、それは食変光星の極小時刻の決定精度からすると、無視して良い程度です(定義から0.9秒以下)。
観測を同時期を山ほど集めて平均すれば測定にかかるかも知れないけれど、それとて、解析に影響を与える程の差ではありません。
それ以前に、O-Cの解析に用いている極小時刻は、生の観測値でなく、日心補正した値ですが、この補正の計算時の精度は、精精、分のオーダーでしょう。
これに、極小の観測間隔はそれほど密ではないことも加えて、普段のO-Cの解析では、系統誤差も偶然誤差も区別ができないけれど、まぁ、問題になるほどではないということでしょう?


ところが、この観測に使っているUT(C)という時刻は、進みが一定でないという問題があります。
毎日、お昼に太陽が南中するように観測で補正されています。
これは、過去にさかのぼって色々計算するのに困るので、そういう時は、地球力学時(昔は暦表時)を使って計算します。
で、地球力学時とUTCの差は、観測でしか求められないので、これをずっと過去に外挿するとズレが生じてしまいます。
天文学では、日食の時刻などを元に補正するようですが、当然、精度は高くないはずです。


で、古代の食変光星の観測記録でもみつかれば、同じ問題が生じそうですが、そもそも、その当時の時刻決定精度は良くなかったでしょうし、なにより、周期回数Eを決められないので、無問題です(w
で、問題になりそうなのは、100年前(アルゴルの極小時刻なら340年?)くらいまえの極小時刻の観測時刻って、補正がいらないのかという問題です。
何秒くらい違うのでしょう?
そもそも、その頃の時計ってどうやって保持していたの?
UTCって、いつから使われているの?


問題を整理します。
Cの方は、計算するだけなら、100年前の極小時刻だって簡単計算できますが、それと観測時刻の差を求めたとき、当時と現在の時刻体系の違いの差は、系統誤差として現れないの?
そもそも、系統誤差があるとして、どのくらいの秒数?


(追記)
Ngaさんのコメントで理解、時刻の体系の差は、元期の方の差に現れるのですね。
それだと、分のオーダーくらいのシフトでは殆どわからないですね。
周期変化を差し引いたときに残差として出ないかな<しつこい