meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

分光観測

某所で取り上げられたので、もう少し具体的に。
分光器は、以前は、自作しかありませんでした。
分光観測を精力的にされている藤井貢さんも、自作分光器です
最近は、SBIGからも、簡単な分光器が市販されています



ヨーロッパを中心に分光器を自作していたグループが、会社を立ち上げて分光器を売っています
Lhires III
分光は、光を分散させる分、アマチュアの使える口径の望遠鏡では、どうしても光量が足りなくなってしまいます。
そのため。以前は、低分散で、それも肉眼でも見えるような明るい星での観測が多かったのですが、ヨーロッパのグループは、高分散での観測もされています。
従来の撮れたうれしいを超えて、本格的な観測をされている方もいます。
さらには、高分散、広い波長範囲を目指して、エシェル分光器まで作ってしまいました。
eShel


ここまでは、本格的な分光観測の話ですが、測光の方が楽だし、同じ口径での観測対象は測光のほうが断然多いしという気もします。


で、昨日取り上げた、確認用の分光の話は、ここまで、本格的なものでなくても、どうにかなる場合があります。
透過型のグレーティングを、CCDやデジカメの前に置くだけです
フィルム状のものは数千円から、ガラスで枠に入ったものでも、1-2万円で買えます。
たとえば、
RainbowOptics とか
Star Analyzer
プリズムを使ってフィルムで撮影していた頃に比べると、扱いやすさも、感度も段違いです。


で、私の撮った新星のスペクトルの例。
KT Eri
真ん中に写っているのがKT Eriで、両側にスペクトルが見えます。
屈折望遠鏡だったので色収差が酷いです。
強いHα輝線が見えていて、新星だというのが一目でわかります。
もう、2つくらい
V1493 Aql
CI Aql


SBIGのDSS-7で撮った例は、こちら
うちは、ガイド装置無しなので明るいのしか取れませんが、ガイドすれば、結構暗いものまで撮れるようです。
でも、うちの20cmで、TCP J23130812+2337018を撮ろうと思うと何時間くらいガイドが必要なっでしょう?
少なくとも、口径の面積比でいうと1mの場合の25倍か。


で、観測とか言ってないで、普通に、色の違い星を撮ってみたり、惑星状星雲を撮ってみたりするのも楽しいです。
CD分光器で電球や蛍光等を撮るのに飽きたら、チャレンジしてみる価値はありそうです。