meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

誰も読まなかったコペルニクス

アンテナにも登録してある三中さんの日記で知って、最近買った本。
まだ、半分くらい読んだところですが、名著です。must buy。


コペルニクスの著書「回転について」に残されてる書き込みから、この本がどのような人にどのように読まれたかを探り、地動説がどのように広がっていったのかを明らかにした書誌学的な本。
著者は、スミソニアン天文台にいたばりばりの天文学学者。
コペルニクス生誕500年の記念行事に端を発して、100冊近い、初版本、第2版を自分の目で確かめて調査してあります。


特に、一般に信じられている「天動説は、惑星の天球上の見かけの運動を表すために、次々と副次的な周天円を取り入れて破綻しかけていたのに対して、天動説では、太陽を中心の同心円状の軌道でシンプルに惑星の運行を表せた。」というのが間違いであることの記述には、目から鱗でした。
とりあえずコペルニクスの地動説モデルでは、惑星の運動は等速運動で表せたのがミソで、周天円は残っていました。
こいつをなくすには、ケプラーの登場を待たないといけません。
詳しくは、本書参照。


でも、決して教科書的な本ではなく、読み物として面白いです。
特に、三中さんの日記にも在りましたが、1章の本泥棒の裁判に証人で立った時に話は、下手なサスペンスより面白いです。