meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

M57

かすてんさんのところでの話題から。

日本語のいくつかの観望ガイドに、M57の中心には、13等くらいの星があるけれど、それは、本物の中心星でなくて、近くに別の15等星があって、それは、30cmの望遠鏡でないと見えないと書かれているそうです
で、この解説を受けて、M57を撮って、中心付近に星は写ったけれど、それはニセの中心星だからと、がっかりする事態まで起こっています。


で、どうして、そういう文章が訂正されないまま出回っているのか、発端となった文章は何なのか等は、かすてんさんやS.U.さんにお任せして、そもそも、どの星がM57の中心星なのか、調べてみました。
まず、HSTすばる望遠鏡の画像を見てみましたが、紛らわしい星はありそうもありません。
文献調査では、S.U.さんも嘆いていましたが、最近の論文は星雲の構造に興味の中心があって、中心星についての記述がなかなか見つかりません。
惑星状星雲の中心星のカタログの論文は見つけて、15等じゃないよ、ちゃんと測ったら、16等だよって書いてあったのですが、そこで挙げられている文献等も探っても、ファインダーチャートみたいなものは出て来ませんでした。
他に、M57の中心星の変光を調べた研究があって、これはと思ったのですが、学会発表の要約しか見られなくて、わかりませんでした。
で、変光星なのどうなの?連星なの、どうなの?


というわけで、central starというキーワードで探していたら、手こずったのですが、中心星は白色わい星なのだからと思って、白色わい星のカタログをあたったら、あっさり出て来ましした。
そもそも、中心星の分光観測とかもされているし、中心星がどの星かなんて問題になっているはずが無かったのでした。