日本天文学会には、ジュニアセッションってのがあって、これは、小学生から高校生までの学生さんたちが日頃の研究の発表をする場です。
SSHや銀河学校のような各種講習会の隆盛も後押ししてか、発表が多すぎて、運営をされている方々が、どうしてたらよいか悲鳴を上げている様です。
大変素晴らしいことだと思っています。
ただ、いくつか感じていることが無いわけでもありません。
科学の研究で最も大切なことは、なにか、新しいことを発見することだと思っています。
些細なことでも構わないのです、なにか、新しいことが必要です。
で、新しいことを見つけようと思ったら、過去にどんな研究がされてきて、どこがわかっていて、どこがわかっていないのか調べることから始めないといけないと思っています。
ところが、発表をみていると、日頃のふとした疑問や、素晴らしい思いつきを端緒にしている発表があるものの、そこから、一気にフリーハンドに研究方針を決めて、その問題について、過去にどんな検討がされてきたのか調べるのを飛ばしている傾向があるように感じています。
以前から、アメリカの教育にそういう傾向が強いのは感じていて、あちらでは、正解でなくてもいいから、自分で考えることのみが大切という風潮がありそうです。
知識偏重と言われた日本の教育に対する反省からか、そういったアメリカ方式を重んじる風潮が、日本の一部にもあるように思っています。
ただ、科学は、自分でなにか全く新しいことを見つけたと思っても、結局は過去からの研究の延長にあり、連綿と継承していく一面があると思っているので、そこをもう少しどうにかできたら、もっと、いいなあと思います。
いや、教育現場としては、また、他の立場もあるでしょうし、それをやるには、リソースが足りないというのもあるんのでしょうが。