meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

新星の総説

Journal of AAVSOの次の号は、100周年記念号で、100周年総会の時の話の他に、沢山の総説が載る予定です。
で、準備ができたのから、on-lineで公開されています。
先日、Classical and Recurrent Novae U. Munariが、公開されました。
抜粋(意訳)で要点をまとめてみました。

面積あたりで言うとたて座が多い。

発見数ランキング
40 W. Liller
14 K. Nishiyama
14 H. Nishimura
14 F. Kabashima
14 H. Honda
12 G. Haro
11 I. Woods
11 W. Fleming
9 M. Mayall
9 P. Camilleri
8 G. Pojmański
8 L. Plaut
8 A. Cannon
7 M. Yamamoto
7 J. Seach
7 Y. Sakurai
7 Y. Nakamura
6 M. Wolf
6 D. MacConnell
6 Y. Kuwano
6 C. Hoffmeister
6 K. Haseda
6 C. Burwell


多くのCCDによる捜索はフィルター無しで行われているが、RcまたはSDSS r'のfilterをつけたほうが良い。
Rなら、CCDの感度も良い波長だし、損失も少ない。


発見直後は観測が多いがすぐに忘れられてしまうので、もっと、観測が必要である。
極大後15日目のB-Vは、距離の指標になるので、多色測光がお薦め。
極大付近の密な観測もまだデータが少ないので必要。


マチュアの機材でも、FeII型か、He/Ne型か決めることができるので、分光もおすすめ。


銀河中心付近の吸収の多い所を狙ったサーベイもおすすめ。暗い星まで撮るために、少し長めレンスを使うのが良い。
12等くらいまで写れば良い。
捜索範囲は12x12度くらいで良いので、それほど撮影枚数も多くならないはず。


板垣さんの見つけたV2672 Ophは、減光が早かった。反復新星かもしれないので、過去の画層を調べて見てください。
結果が出たら、写っていなかったというデータも含めて、日時、機材、極限等級等を知らせてください。


複数の人の観測をまとめようとするとしばしば等級が一致しない。
測光のばらつきを少なくするために、輝線の影響を受けにくい、stromgrenのbとyで測光するのも良い。
比較星光度は
y = V-0.062x(B-V)+0.027
b = B-0.469x(B-V)+0.060
(b-y)=0.593x(B-V)+0.033
で決められる。

#なお、わたし(mei/neko)は、オリジナルのstromgrenの定義を使って、V=yで測光しています。
Lillerさんの、40ってパネェと思ったら、後から、新星でないとわかったのが、少なくとも5つ含まれていますね。


ってなわけで、先進的なアマチュアならすでにはじめている方もいそうなアドバイスですが、大先輩のMunariさんのアドバイスなので、参考にしてみてください。