meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

ダーウィンのフィンチ

ビ−グル号での探検での観察からダーウインが進化論に自信を深めたというのは有名ですが、
その観察の1つに、ひとつの諸島での、フィンチの嘴の形の多形があります。
最近、鳥好きの知り合いから教えてもらったのですが、そのフィンチの嘴の形の多形を決めている遺伝子を同定したという論文がScience誌に載りました。
斜め読みなので、読み違いがあるかもしれませんが、
BMP4という骨形成の遺伝子の仲間の1つが、発生の段階で嘴の形に関連していることをニワトリで同定し、実際にフィンチの発生段階でも嘴の形成に関与しいていることを確かめています。


形態の遺伝子というと、いくつもの遺伝子が絡み合っていて解析が難しいのではないかと思われがちですが、案外、単純という例は結構ある気がします。


有名な例は、メンデルが遺伝の法則を発見したのに使ったエンドウ豆のしわの形質です。
教科書に出てくるので知らない人は無いと思いますが、1遺伝子なので、法則の発見に役立ったし、教科書にも分離の法則の説明のために載るわけです。
エンドウ豆のしわは、デンプンを作る遺伝子がひとつつぶれていて(確かトランスポゾンの挿入変異)、デンプンの粒の構造が変わるので、実の入りが悪くなり、しわがよるのでした。
こいつもクローニングされた時、結構話題になりました。