meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

画像関係の天文用ソフトの使い分け

画像処理関係のソフトは、高機能なものが多いですが、機能として備わっていても、必ずしも、どのソフトでも同じ結果が得られると限りません。採用しているアルゴリズム実装依存が存在します。
また、使いやすさも、ソフトごとに違います。
自ずと、使い分けがでてきます。まぁ、単に慣れという部分も大きいのですが。
で、わたしの使い分けの例です。


MaxImDL
CCDでの撮影
スタック合成
連続測光
背景のムラや傾斜の補正
PinPointを使ったWCSの書き込み
ブルーミングの補正
連続撮影からの動画の作成
Fitsヘッダの確認


MIRA
個々の星の測光
スカイフラットの作成
フラット補正
メジアンフィルターを使って、超新星の画像から銀河を引く
画像の一覧作成
PSFの確認


ステライメージ
彗星や球状星団の画像のデジタル現像
彗星の核を基準にしたスタック
ダークノイズの消え残りの削除
3色カラー合成
LRGB合成
画像の切り抜き
画像形式の変換(主に、BMPJPEG画像の作成)


Photoshop
画像のリサイズ
ステライメージで消えなかったノイズの消去(がPhotoshopだと、消えることも)
月面のモザイク合成
文字入れ


あと、用途に応じて、SExtractorやDS9を使います。


測光をMaxImDLとMIRAの両方でやっている理由ですが、アパチャを当てる際の重心決定のアルゴリズムが良いのか、MIRAの方が、バラつきのない値が出ます。
特に、ガイドが乱れて、星像が伸びた時は、MaxImDLは、なぜだか、たいへん外れた値を出すことがあります。
また、Skyのアパチャに星がコンタミした際の挙動も、MIRAの方が良いような印象です。
というわけで、MIRAを常用すればいいのですが、ただ、うちの連続測光画像は、追尾が悪く徐々に星の位置がずれてしまいます。
この時、MIRAは、ズレの許容量を指定しておいて、重心検索で星を追わせて測るのですが、時々、星を見失ったりします。
その点、MaxImDLは、パターン認識で星を追ってくれるので、星を見失うことがありません。
手軽なので、連続測光の時は、MaxImDLを常用するようになりました。
最近は、MaxImDLで、予め、画像の位置を合わせ直させて(Align)おいてから、MIRAで測ることが増えました。
これだと、星の位置がほとんど動かないので、MIRAでの測光が捗ります。


Fitsヘッダの確認とかは、必ずしも、MaxImDLでやるとは限りませんが、ソフトごとに表示の癖があります。