meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

R CrB型星

現在のR CrBの減光が大変期間が長いので話題になっています。
それに関連してかすてんさんのところで、RCB型星の減光のメカニズムが話題になっています
で、わたしの知識は、PASPに載ったClayton(1996)の総説辺りが大元になっているので、最近の動向を少し勉強してみました。


まず、星からの放出物の話ですが、RY Sgrで、電波で観測されています。
VLT干渉計、星が吐き出した煙を撮影
模式図は、ダストが星のすぐ近くにある様に書かれていて良く無いですね?
最近は、光学干渉計で測る話も進んでいるようです。
Diffraction-limited speckle interferometry and modeling of the circumstellar envelope of R CrB at maximum and minimum light
First detection of dust clouds around R CrB variable stars


ダストの様子を偏光分光で知ろうという話は、ここらあたり?
Spectropolarimetry of R Coronae Borealis in 1998--2003: Discovery of Transient Polarization at Maximum Brightness


赤外まで含めた多色測光で、ダストの量や温度、ダストの直径を求めたのが、
UBVJHKLM photometry and modeling of R Coronae Borealis
この論文だと、ダスト(の元になる炭素)はいつもあって、透明度が変わっている(塵の生長成長?)という話になっているようです。


かすてんさんのところで紹介されていた天文おまかせガイド.netに、RCB型星の起源として、白色矮星が融合して出来たという説が最近はあると知りました。
これ辺りですかね?
CNO abundances of HdC and RCB stars: a view of the nucleosynthesis in a white dwarf merger
水素が少なくて、炭素が多いという組成の星を作るためのアイデアと思いますが、RCB型星(HdC星を含む)には高温の星と低温の星があるのをこれでうまく説明できるでしょうか?
また、脈動変光の説明はどうでしょう?


とりあえず、その他にも輝線の起源の話とか、恒星風の話とか全部説明できる説を作らないといけないので結構大変そうです。