meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

植物の光合成能力アップ、日大が遺伝子組み換えで成功

読売新聞他の報道から。
日大、生物資源の奥忠武先生の研究室の千田さん他の研究です。
Plant and Cell Physiologyの7月号に載るそうで、植物生理学会の会員ならPCPのWebで、既に読めます。


photoystem(光合成系) IIからcytochrome(Cyt) b6f複合体に電子が渡った後、Cyt b6fからphotosystem Iへの電子伝達は、高等植物ではplastcyanin(PC)が仲介しています。
藻類等ではPCでなくて、Cyt c6がそれを行ってるそうです。
で、ノリのCyt c6をシロイヌナズナに形質転換したところ、植物体の大きさが1.1-1.3倍に、二酸化炭素固定能も1.3倍になったそうです。
光合成関連タンパク質量やATP、NADPH量も同様に増えており、これは、Cyt c6が、PCより電子伝達の効率が良いことによるものだと結論しています。


Cyt c6って、Cyt c533って呼ばれていたやつだそうで、それなら、何度か、植物生理学会等で発表を聞いている気もしますが、専門と少し離れるので、憶えていません(爆
#だめじゃん、本当は専門でないといけないくせに(w


で、同僚にこの話をしたら、「1.数倍か、ふーん」といっていました。
光合成能力や、植物体の重さって増やすのは結構大変なので、このくらいの数字にしかならないのはざらなのですが、逆に、結構ある数字です。