meineko’s blog

元つくばの某独立行政法人勤務の植物屋です。最近は、ほぼ、突発天体の話題です。

人類生存の処方箋− 貧しさと豊かさがもたらす病 −

NHK hi visionでやっていたドキュメンタリー

貧困国で蔓延している夜盲症治療のために、ビタミンA投与の試験をしていた医師が、ビタミンA投与が、夜盲症だけでなく、幼児の死亡率も下げるということを発見するのですが、なかなか、認めてもらえなかったという話でした。


同じようになかなか周囲に信じてもらえなかった例として、ペラグラという病気の原因が、トウモロコシだけを中心とした貧弱な食事にあると、刑務所を使った臨床実験までして証明したのに認めてもらえなかった医師の話が出てきました。
結局認められたのは、医師の死後、直接の原因が、ナイアシン不足で、トモロコシだけではナイアシン不足しやすいことがわかったからという話が出てきました。


最近もどこかで聞いたような話だと思ったのですが、ピロリ菌を自分で飲んだノーベル賞受賞者の話でしたでしょうか?


直接の原因のナイアシンが同定されて初めて信じてもらえるというのは、科学者としては溜飲を下げる話ですが、認めてもらえなかった医者にはたまったものですはなかったでしょう。
時代としては、ビタミンの概念ができ始めた頃なので仕方ないでしょう?
ビタミンを錠剤で飲む人がいる現在とは、隔世の感です。


で、ビタミンAの話。
最初、注射によってビタミンAを投与しようとして、発展途上国の環境では、注射器の調達も難しいことから、経口投与をしてみたら、画期的な効果があったという話でした。
わかってしまえば、経口投与なんて、最初から気づけよと思うのですが、実際には難しい話なのでしょう。
で、そんな簡単な話が、なかなか、ほかの方には認めてもらえなかったという話。「ぽっとでの医者が、発展途上国の事情を本当に理解しているのかという」無理解という名の拒絶だったそうです。


対策がわかっても、実際に、発展途上国でビタミンAを配布するプロジェクトを動かすには、仕組みを作るのにも、当事国の人々の理解を得るのに大変だったそうです。
カロチンを強化したゴールデンライスの開発のニュースは、バイオ関係者にもあまり評判がよくなかったのですが、この話を見た後だと、実は有効な話なのかもと思いました。


豊かさの方は、肥満の話。風呂へ行って見てなかったので、この部分はよく知りません。